くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.8
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くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.8
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あなたは「山口市中心市街地」と聞くと何を思い浮かべますか?
山口七夕ちょうちん祭や山口祇園祭、県内で数少ない百貨店がある、アーケードのある商店街・・・色々な印象があると思います。
この「くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン」では、ちょっと気になるお店やイベントの情報、街を歩いてみないと気付かないようなディープな路地裏にもスポットを当てて、(編集者独自の目線で)紹介していきます。
このマガジンを読んで、気になるもの・場所を見つけたら、ぜひ山口市中心市街地へお出かけしてみてください!
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夏休み、自分で「つくる」楽しさを見つけた! 親子でものづくりを体験できる 第2回 「コトもの体験会」@コトサイト
山口の夏と言えば、ちょうちん祭り。2022年はコロナ禍に万全の対策をとりながら2年ぶりに復活、商店街も華やかな夏気分がいっぱいでした。 そして子どもの夏休みといえば、自由研究や作品づくり。悩んでいるお子さまやお父さんお母さんたちも多かったのでは?
山口井筒屋2階の交流イベントスペース「コトサイト」では、8月7日、第2回目の「コトもの体験会」が開催されました。 県内のものづくり達人によるワークショップ。今回は ・輪ゴム鉄砲 ・じぶんのお箸 ・オリジナルハーブティー ・プラ板バッジ の4つの体験会を午前と午後の2回開催。いずれも大盛況となりました。
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「マイ箸をつくろう」の講師は仁保の木工職人・斎藤稜さん(Atelier RYO)。 子どもたちが作りやすいよう、小さなかわいいカンナをたくさん用意しました。 「私たちは今、日常使うものはほとんどお金で買っています。日常で使うお箸が自分で作れることは、子どもにとってまず新鮮。その上、カンナで木を削るのは初めての子も多いでしょう。怪我の無いように注意すること、そして、木の手触りや木くずの匂いなども五感で体験することで、ものづくりの楽しさを知ってもらえるたらと考えています。子どもは大人よりもずっと感受性が柔らかく鋭い。きっと一生記憶に残る体験となると思います」
伊藤舞さん(白石小4年生)はお父さんと一緒にお箸削り。初めてのカンナ使いにどきどき。仕上げには焼きコテでイニシャルや好きな動物や音符の模様など、自分の印をたくさん入れました。「初めてだったけどうまくできました。いつもは普通のプラスティックのお箸を使っていたけど、自分で削ってかわいい模様もつけたから、使うのがとても楽しみです」
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オリジナルハーブティーづくりに参加した山口彩惠さん(11歳)は、大好きな絵本がきっかけで興味をもちお母さんと参加しました。
「『魔法の庭ものがたり』(あんびるやすこ著/ポプラ社)が大好き。ジャレットがいろんな人の悩みをハーブでなおしていくので、私も作ってみたくなりました。好きなハーブをブレンドしたので、どんな香りになるかな」
お父さんお母さんも、お子さんのサポートをしながら一緒にワクワクドキドキ昔に戻っていたこのイベント、ファミリーみんなの楽しい思い出にもなったことでしょう。
「7月に続いて第2回の開催ですが、大変好評です。お子さんの小さい子育て世代のお父さんお母さんだけではなく、子供達やもっと上の方なども、様々な幅広い年代が集まれる交流スペースを目指して、これからもどんどん楽しいイベントを企画していきます。ぜひ街づくり山口のホームページ(https://machi-yamaguchi.com/)にアクセスしてくださいね!」(街づくり山口・田中美穂子さん)
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New Openの気になるお店に行ってみた!
今、新店舗がぞくぞくとオープンしている山口市中心商店街。あたらしい出逢い、あたらしい味にウキウキワクワクがとまりません!
さあ、(コロナ対策はしっかりとして)街に出逢いに行きましょう
「巡り巡って、新しくなる」
大切に受け継ぐ「人のぬくもり」は
新しい感覚との出会いで、明日につながっていく
ここ、山口市中心商店街だからこそ。
〜RONDO(セレクトショップ)
新たなお店がゾクゾクと誕生している山口市中心商店街、道場門前にまた素敵なセレクトショップ「RONDO(ロンド)」が7月にオープンしました。
お向かいにある人気店「undstar(アンドスター)」の姉妹店で、商品は80~90年代の古着を中心としています。メンズもレディスもユニセックスも、年齢問わず。キレイメで楽しく、気軽に着られるアイテムが揃っています。
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100歳のアンティークカウンター、古民家お庭にPOPできれいな古着
この商店街だから生まれた、大切なストーリー
「あれ?ここは前…?」店内に見えるのは飴色に輝く堂々たるアンティークのカウンター。そして奥には大きな窓から、緑の中庭と広縁。縁側に風鈴が揺れ、水鉢には猫さんがご挨拶。時間がゆったりと流れる古民家の借景です。
よく拝見すると、その窓も年季の入った立派な木製の桟(さん)が美しい。
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天井のファンも空調の大きなエアコンもどこか懐かしいレトロ感。
白が基調の明るい店内にポップで上品な古着と、この古民家しつらえとのコラボのhybrid感…これには、山口市中心商店街ならではの温かく大切なストーリーがありました。
「笑顔が、あいさつが、商店街の大切な風景だった
やっぱり商店街って、『人』。
それは変わらない価値なんです」
ここは元1922年創業「井ビシ眼鏡店」、山口はもちろん中国・九州地方でも最先端の眼鏡専門店でした。高技術・高品質のメガネが、このアンティーク彫刻の「眼鏡調整室」で生まれ、信頼の歴史を積み重ねてきました。
三代目の坪井二郎店主は、柔らかいお人柄と腕の確かさで商店街をささえてこられました。ところが坪井店長が急逝され、井ビシ眼鏡店は100年の歴史を閉じることになりました。
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お向かいのセレクトショップ「undstar(アンドスター)」のオーナー・福田真大さんは、毎朝毎日優しく笑顔で「おはようございます」と声をかける坪井さんが大好きでした。
「坪井さんの存在は、大好きな『日常風景』でした。亡くなって、その笑顔や空気感が、とてつもなく大切なものだとあらためて気づいたのです。この商店街の価値は、人が笑顔であいさつする、『人』そのものなんだと感じました」
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「店は、人の歴史が命になる。それこそがこの商店街の魅力・価値になる」
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福田さんは坪井さんが残した100年の歴史を残そうと店舗業態を模索。最終的にセレクトショップ姉妹店としてリニューアルすることになりました。
「大手眼鏡店に提案もしましたが、ビジネスファーストで進めると、このアンティークカウンターも木枠の桟もエアコンも天井のファンも取り除くことになってしまう。それでは意味が無くて、今壊したら2度と作れないこれらのものを、なんとかできるだけ残して活かしていきたかったんです」
「ファッションもショップも変わる。それでも変わらない価値がある。古いものでも新しくみせる、それが新しいはじまりになる」
RONDO=回旋曲。最初のテーマが何度も出てくる音楽、大きな輪になる踊りの曲。ネーミングにも、ロゴの下の弧のカーブにも、「大きな循環の一つとなって世界がつながっていく」福田さんの想いが込めてられています。店内のネオン管は、このカーブを創るのに職人さんが一苦労された力作だそうです。
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「眼鏡調整室はアンティークカウンターに生まれ変わって、また明日に生き続けます。洋服も同じ。古くても自分が好きなものを、新たな感覚で今を生きるように工夫して、一緒に生活していく。これって実は、日本の昔からの知恵と文化ですよね」
巡り巡って生き続ける、楽しさと美しさ。
変わらない大切な価値と、変わっていく表現のコラボ。
山口市中心商店街に脈々と生きる大切な世界が、新しい出会いを待っています。
RONDO(ロンド)
住所 山口市道場門前2-3-7
083-920-7335
インスタグラム
https://www.instagram.com/rondo_on/
OPEN 10:30~19:00
定休日 水曜日
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