検索
メイン画像 メイン画像

くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.12

WEBマガジン

くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.12

               くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン

あなたは「山口市中心市街地」と聞くと何を思い浮かべますか?
山口七夕ちょうちん祭や山口祇園祭、県内で数少ない百貨店がある、アーケードのある商店街・・・色々な印象があると思います。
この「くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン」では、ちょっと気になるお店やイベントの情報、街を歩いてみないと気付かないようなディープな路地裏にもスポットを当てて、(編集者独自の目線で)紹介していきます。
このマガジンを読んで、気になるもの・場所を見つけたら、ぜひ山口市中心市街地へお出かけしてみてください!

路地裏には、個性と人情があふれてる!
山口市中心商店街のクールでディープな「クセツヨ」エリア
「新天街」。

たとえばパリ、ニューヨーク、東京銀座や新宿でも、一歩入って小さなお店が集まる裏通りは想像以上のおもしろさに出逢えるもの。

山口市中心商店街にもあるんです、そんなワクワクドキドキエリアが。

その名も「新天街」。中市商店街の北側一角です。

アーケードのLOG COFFEE ROASTERSさんとお酒の浅屋商店さんの間の道(今小路)を入っていき、角のカラオケスナックの歌声を聞きながら右に曲がると、人気のおでん屋「かんたろうおでん」や小料理屋「花のれん」、イタリアンバル「Calvo」、ごはん屋「さいさん」、イギリス焼き菓子「Lovely Jubbly」、オシャレな乾物屋さん「悦味屋」、リフレクソロジーサロン「ぽっかぽか」などが連なります。居酒屋「陽」の角を左へ曲がると珈琲通御用達「原口珈琲」そして多国籍料理を小皿で楽しめる「しまうま舎」。

ほんの100m足らずの路地に、間口の狭いお店がギュッとつまっています。アーケード路面店と違って、各店舗は外から中が見えにくいだけに、アヤシイ感じで勇気がいる…という方もおられるでしょうが…

『安心してください、入ってますよ!』 とても気軽で楽しいお店ばかりです。

兄貴分のごはん屋さん「さいさん」オーナー・齋藤貴彦さんにお話をうかがいました。

「6年前にここをオープンしました。その頃はこのエリアは飲み屋さんが多くて常連さんも地元の年配男性が多かったですね。昼からみなさんの憩いの場で(笑)、和気あいあいとしていました。その後だんだん同年代のユニークなこだわりのお店が増えてきて、若い人にも注目されるエリアになってきたと思います。ただ、コロナ禍では常連のみなさんが来られなくなって。各店舗も入れ替わりがあったりテイクアウト等をはじめたりして、がんばってきました。今はランチタイム営業のお店やカフェもあるので、昼も夜も注目されています。学生や若い人や女性も多くなりましたね」

このエリアだからこその空気感がありますね。

「路地裏、ってちょっと隠れ家っぽい感じでしょう? 車も通りにくい、狭い道だからこそ面白いものが生まれて詰まっている感じ。新天街も、自分はこんなことがしたい、というちょっと『クセが強い』お店が多いかも (笑)」

個性に加えて、エモい人情味があるところも大きな魅力だとか。

「下町っぽい人情が残っているんです。ひとりで入ってもフレンドリーで退屈しないお店が多いですよ。県外からお仕事で山口に来られる方も多いです。ここで仲良くなって山口の人やお店とつながりができて楽しんでもらっています。お店同士でも『ちょっと氷足りなから貸して』『お礼にまかない持ってきたよ』とか、助けられたり助けたり(笑)。この空気感って、貴重な味わいだと思うんです」

ニューヨークタイムズ紙が『2024年訪れるべき世界の都市』として山口市をピックアップしました。海外の方にも面白いエリアとして楽しんでもらえればいいですね。

「ローカルにこそリアルが詰まっている、と私は思っていて。観光用に用意されたものではなく、地元のリアルな楽しさが息づいている光景…海外の人にはそういうシーンを『発見』してほしい。それは地元の私たちにも同じで、自分で探すから出会いがあっておもしろい。だからこそ、今のこの新天街を楽しむ人がもっと増えたら、山口市中心商店街のパワーが大きくなると思うんです」

上級出汁の旨さと香りに出逢い、 タイカレーやカオマンガイでほっこり。 路地裏エリア新天街の注目2ショップ

〜「悦味屋(よろこびや)かつおぶし」(乾物屋)


〜「さいさん」(路地裏ごはん&居酒屋)

こだわり個性派・新天街は「おもしろそう、おいしそう」なお店ばかり。
vol.10でイタリアンバル「Calvo」をピックアップしましたが、今回は2024年3月に本格オープンの出汁乾物ショップ「悦味屋かつおぶし」さんとオープンして6年目・路地裏ごはんの兄貴分・昼はタイカレー夜はアジアンフードと居酒屋の「さいさん」さんです。

世界遺産認定「和食」の原点を、ご家庭でも 伝統の高品質乾物をお手軽に。 カラダも心も悦ぶ(よろこぶ)お味どころ。
〜「悦味屋(よろこびや)かつおぶし」

2024年3月15日に本格オープン。スッキリとしたオシャレな外観はカフェかジャムとかのお店かしら…と思いきや、なんと「乾物屋さん」。
かつおぶしや昆布、干し椎茸、いりこ、干し海老などを販売するお店です。
鰹節は指宿産「一本釣り本枯れ節」「荒本節」、昆布は利尻、日高(三石)、がごめとろろ昆布、真昆布など。干し椎茸は原木干し椎茸の「おおば」「ちゅうば」「スライス」「粉末」、いりこは山口県周防大島産、干し海老は山口市秋穂産。

最高級のお出汁が引ける、国内の厳選された一級品ばかりです。うれしいのは、トライしやすい「小袋」からお手頃価格でそろっていること。料理のしかたも、日本安全食料料理協会(JSFCA)の出汁マイスター資格をもつオーナーの藤田さんから「失敗しない出汁の取り方」「乾物を使ったオススメ料理」など教えていただけるのが心強い。ちょこっと試食で味わいと香りの体験もできます。
2月のプレオープン時から、熱心なリピーターもおられるとか…!

もうひとつ、悦味屋さんがすごいのは「国内最先端の削り機で『極上かつおぶしのけずりたて』がいただける」こと。
国内業界屈指の削り機メーカーが独自の特許技術で開発したマシンを導入。お店奥のガラスコーナーで、十二分に発酵熟成した本枯れ節を0.01mmの薄さに削り出します。
鰹節は、何といってもけずりたてが最高。店内に極上の香りが広がります。お口に入れると、ふわっふわ。綿アメのように溶けていき、優しい上品なダシの旨味が残ります。ああ幸せ…。

オーナーの藤田悦子さんにお話しを伺いました。

乾物屋さんをはじめるきっかけは何だったのでしょう?

「私は下関出身で、めざしや椎茸、干し海老や昆布で育ったようなもの。小さいころからずっと乾物が大好きです。子育ての時期に『子供においしいものを食べさせたい』と思って色々工夫しているうちに、おいしいものの基本には乾物がある、と改めて気づきました。また、自分の仕事がハードで体を壊しかけたときにも、『食べることをおろそかにしない』と決めて乾物で作り置きをしておくことで、明るく乗り切ることができました。そんな経験から、『味の原風景は出汁だ、お店をやってみよう』と決心しました」。

料理、ではなく、乾物屋さん、というのは一周回って新鮮、です。

「30歳くらいの時の夢が『乾物屋さんのおかみさん』でしたから (笑)。前職で様々なジャンルの方にお会いするたび、『プロフェッショナルは伝えるべき大切なものを持っている』と感じていました。そしてみなさん、幸せそうで。私も、良いものを残す幸せな仕事をやりたい、それが何かな…と考えたとき、日本の乾物のすばらしさを家庭にお伝えしたい!と。夢を現実にするチャンスだと思ったんです。決心してからは、1件1件突撃して交渉しました。熱意をわかっていただいて、鹿児島県指宿市山川の鰹節屋さんにはしっかりレクチャーを受けました。関西の削り機メーカーさんには『いいものは残る。がんばりなさい』と励ましていただきました」

この山口市商店街、新天街に店舗を開かれたのはなぜでしょう?

「もともと京都の路地の雰囲気が大好きで。山口市で検索していましたら2023年の秋にここの情報をいただきまして、すぐにこちらに決めました。フードコーディネーターやデザイナー、建築関係の友人たちも応援してくれまして、素敵なお店になりました。新天街のゆったりした空気とプロフェッショナルなこだわりに合うお店で、良かったなと思っています。」

本格オープンの3月15日からは、ランチもはじめられるとか!

「削り立てのかつおぶしをかけたご飯や、昆布・鰹節・いりこなどの出汁をひいたお味噌汁など、シンプルですけど和食の旨味がギュッとつまったものを考えています。店内はカウンター席ですが、出汁のおいしさを満喫してくださいね」

和食の基本で土台の「出汁」。身体と心を豊かにしてくれそうですね。

「ご家庭で、世界遺産の味をお気軽に。出汁は幸せの原点です」

山口市中央町6-2新天街
営業時間 11:00−16:00
ランチ  11:30-無くなり次第終了(10食程度)
定休日 木・日曜(不定休あり)

公式Instagram

街で出逢う、場と人のおもしろさ。 メルティングポット(るつぼ)のワクワク感を タイ料理と一緒にどうぞ 〜路地裏ごはん屋「さいさん」

レトロなタイル張りのファザード、ステッカーやカワイイ眼鏡のオジサンのイラストにざっくりユルクのびのびとしてるグリーンの鉢。「タダモノではない」感にドキドキしながらドアを押すと、楽しげなカウンターに奥にはPOPなテーブル席。壁にはアーティストのイラストやフライヤー。アジアン料理屋さんというよりも、都会の気軽な隠れ家、という空気感が印象的。

オーナーの齋藤貴彦さんは、山口生まれながら小さいころはイギリス暮らし、大人になってからは広島で会社勤めをへて地元へUターンという経験の持ち主。2018年に「さいさん」をオープンしました。

「自分で飲食店をしたかったんですよね。定年を待つより若いうちに、感覚やセンスが鈍らないうちに。東京では昔の下北沢、広島の裏通りのような、自転車しか通れない狭い路地にある活気とヤバイおもしろさが大好きで、自分が好きなテイストで楽しいお店をしたかったんです。最初は広島のホルモン焼きを取り入れてカッパ肉(皮下の赤味)やフランケン(牛肉の脇腹部位)のグリルがメインでした」


コロナ禍を機に、お昼メニューをタイカレーなどのアジアン料理メインにシフトチェンジ、新しいお客さんも増えました。

「ランチでテイクアウトができるように方向を考えました。実は母がタイ料理にはまって現地の料理学校で本格的に勉強していたので、母からの直伝です。そこをベースに、新メニューもチャレンジして山口の人にも広く楽しめるように工夫しています。
この頃をきっかけに若い人や女性も気軽にこられるようになって、お客さまの層が広がった感じですね」

夜は、タイ料理だけでなくお総菜や焼肉もアリの居酒屋スタイルで。カウンターで楽しんで、常連さんとも仲良くなれそう。オーナーのお友達ミュージシャンがこられての店内ライブも楽しそうです。

「広島でも1人で入ったお店でマスターやお客さんに優しくしてもらって常連になって、そこから街を好きになっていきました。だから山口でも、その恩返しをしたいんです。いつもどおりの山口の街で、こんな風に楽しんでいる仲間がいるから一緒に楽しもうよ、という感じです(笑)」

山口市中市町6-2
営業時間
 火曜日 17:00-22:00
 水-土曜日 11:00-14:00 17:00-22:00
 日曜日 11:00−21:00
定休日 月曜日、火曜日のランチ
https://www.instagram.com/sai_sung_nakaichi