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くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.2

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くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.2

               くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン

あなたは「山口市中心市街地」と聞くと何を思い浮かべますか?
山口七夕ちょうちん祭や山口祇園祭、県内で数少ない百貨店がある、アーケードのある商店街・・・色々な印象があると思います。
この「くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン」では、ちょっと気になるお店やイベントの情報、街を歩いてみないと気付かないようなディープな路地裏にもスポットを当てて、(編集者独自の目線で)紹介していきます。
このマガジンを読んで、気になるもの・場所を見つけたら、ぜひ山口市中心市街地へお出かけしてみてください!

歴史とセンスと人情が息づくストリート 
山口市天神通り

山口市ならではのおもしろスポットや
楽しみ方をご紹介する
「くる〜ニャッ!やまぐちWEBマガジン」、
第2号は「路地歩きで街発見」、
天神通りをぶらりお散歩してみましょう。

山口市のメインストリート中心商店街のアーケードから一本駅寄りに並行して走っているのが「天神通り」。大きなお寺や老舗の商店、スナックが建ち並び、若者に人気のこだわりショップに出会える「ストリート」です。

まずどうしてここは「天神通り」なのでしょう? 

時は室町時代、大内氏は山口を西の京として街づくりをした際に、この中市に山口北野天神宮を創建しました。ここはまさに天神さまの通りだったのです。
江戸時代になって天神宮は現在の古熊神社に御遷座されましたが、昔のなごりが中市マルシェの駐車場側にある『古熊神社御旅所』なのです。山口三大祭りである山口天神祭では、御輿の一行が旧街道や商店街を廻ったあと、この御旅所で獅子舞や稚児舞を奉納して、現在の古熊神社まで戻ります。
現在の古いお社に一歩入ると、大正時代の掛け物や百人一首がえがかれていたのであろう絵札があり、眺めているといにしえのにぎやかな街へタイムスリップができそうです。

天神通りは古いお寺も多く連なっています。日蓮宗常妙寺の境内には「足利尊氏の座った石」がありました。天下を取る武将はどのような思いで腰掛けたのでしょうか。戦いの策略か、それとも山口の地でひととき、安らぎを味わっていたのでしょうか。

お寺が多いと人の行き来が多くなり活気あるストリートが生まれます。

通りの中程にあるスナック「せつ子」のマスター・高木健滋さんに思い出やエピソードをうかがいました。
「天神通りは、古い時代から戦前戦後に渡って、遊郭や料理屋が並ぶ山口で一番の繁華街でした。第二次世界大戦後にはニュージーランド軍が山口に進駐軍として滞留し、この通りも大賑わいだったそうです。
お蕎麦屋さん『山吹』は築100年以上の貴重な遊郭建築なんですよ」
この通りのランドマークともいえる「山吹」さん。玄関の佇まい、2階の古い木枠のガラス引き戸。華やかな声が響いていたのでしょう。横路地の狭さと年季の入った木塀の佇まいは、往年の情緒たっぷりです。
残念ながら現在は大雪による屋根の修繕中でしたが、お蕎麦やお寿司の味も内装の風情も味わいが深いお店です。
「昭和40年代、僕が小さいころもスナックや小料理屋さんがひしめき、いわば『夜のオトナの街』でした。気性の荒い名物おじさんや気っ風のいい人情のある女性がたくさんおられました。ちょっとヤバイ場所って、おもしろいパワーがあるじゃないですか。大人みんなに育てられた感じです」

天神通り東端の角にある、昭和40年創業の老舗のスナック「ZERO」にうかがいました。楽器のように美しい流れるカーブのカウンターが見事です。お嬢さんとツートップでお店にたつ3代目ママのお話は家庭的でほっこりします。

「うちの名物は、私がいつも作っている家庭料理ね。

『ちょっとおなかすいた〜』というお客さまに、奥の自宅からカレーや煮物をお出ししていたら、みんな『あれを最後に食べないと帰れないよ〜』というようになっちゃって。今日は大根の煮物(笑)」
もちろんコロナ禍対策は万全。男性のみならず女性もふらっと座ってほっこりできそうです。

老舗といえば、創業80年になる洋和菓子店「菓舗扇屋」さんもファンの多いお店です。愛され続けた和菓子と時代のニーズではじめた洋菓子が明るいショーケースに仲良く並んでいます。根強い人気の「きんつば」と旬の焼きたてアップルパイが光っていました。まさしくこの街の「ソウルスイーツ」です。

山口のオシャレ好きに欠かせないのが、駅通りの方へ出る少し手前、大きな樹が印象的なセレクトショップ
「MAMBO」さん。

オープンして26年の平成生まれ老舗です。

2020年10月から,2階フロアでは「T.S.L Yamaguchi store」を展開。人気の定番トートバッグなどを中心に上質な雑貨がずらっと選べて圧巻です。ストリートを眺めながらカウンターで一息楽しめるカフェコーナーも健在です。
天神通りをアップデートしながら長くプロデュースしてくれるショップ。レディス担当の荒川さんは扇屋さんのドーナッツが大好きだとか。

MAMBOさんからすこし東の井筒屋の裏あたり、「NO CURRY, NO LIFE」の黄色い小さな看板が目印に路地を入ると、大人気のスパイスカレー屋さん「knot」です。
その日の食材によってじっくり作られる独特の優しいスパイスカレーを中心に、色とりどりのフレッシュ野菜と一緒にヒトサラで2種類のカレーが味わえる「あいかけ」が人気です。
シェフの水田麦さんがこのお店を引き継いで6年目になりました。
「昨年秋から、やりすぎ!といわれるくらい徹底してコロナ対策を実施しました。テイクアウトも展開しつつ、この店が好き、というお客さまにも安心して楽しんでいただけるようにこれからもがんばります」
この日は常連さんで水田さんの似顔絵を制作した岡村ヒゲさんと談笑。カレーのみならず、マスターのお人柄もこの通りには欠かせません。

天神通りで一番新しいショップは、「スナックせつこ」の並びにある「ポモドーロ」。イタリアン?と思いきや金土日はランチでラーメン、夜はリーズナブルにワイワイと楽しめるスナックです。イチオシは薔薇のようにカットしたトマトをあしらったトマトラーメン、爽やかな酸味がおすすめだとか。

ところで高木さん、マスターなのになぜ「せつこ」なのでしょうか?

「実は『せつこ』は母の名前なんです。

オープン前に何かカッコイイ名前を…と考えているうちに看板屋さんが『まだ決まらないの?もうお母さんの名前にしたら!』と母の名前の看板をつくっちゃった(笑)。今でも『せつこさん?』といわれるので、なりきって返事します(笑)」
「スナックせつこ」の店内は、昭和レトロ感のある照明と親しみやすいカウンター、壁にはお客さまの月間カラオケランキングが。現在は予約のみの営業ですが、きさくな仲間と心おきなく楽しめそうです。

昔々からさまざまな人が歩き、集い、楽しんだ「天神通り」。ぜひみなさまもふらっと訪ねて、味わい深い歴史とセンスと人情を発見してくださいね。


「シャッターアート商店街」
みんなでかいた絵が、わたしの街を明るくする

みんなでかいた絵が、
わたしの街を明るくする
「くる〜ニャッ!やまぐちWEBマガジン」、
今回のイベントご紹介は、
2021年2月14日(日)に西門前商店街スペイン庭園前でのシャッターアートペイントです。

みんな大好きSLやまぐち号が、西門前に登場!

朝10時、今回のシャッターアートを制作するデザインペインター・木村和紀さんの準備が整いました。
キャンパスとなる白いシャッターには、大きなSLやまぐち号がリアルに描かれています。メインのSLは木村さんが5日間かけて事前に制作しました。今回はいよいよ、最後の仕上げ。背景の黄色をスプレーで少しずつ、地元の子供たちに参加してもらおうというものです。
ユルユルとスタートしてもおもしろそうなことに子どもは敏感。西門前の地域子育て支援拠点「ほっとさろん西門前 てとてと」の子供たちが参加、次々とシャッターアート制作を体験しました。初めてのエアブラシに真剣そのもの。終わると緊張から笑顔に変わり、自分で塗ったところをじっと見つめる目がうれしそうです
なにしているのかな?…と通りをいく親子連れのみなさんも興味津々、ワクワクでエアブラシに挑戦していきました。

お気に入りのマシンガン片手に参加した藤井湊大さん

お気に入りのマシンガン片手に参加した藤井湊大さん(10歳)は、元気いっぱいでチャレンジ。練習用の板でエアブラシの操作を教えてもらい、いざ本番に「こんなの見たことがなかった。楽しい!」と大喜び。
3人の娘さん(理紗子さん6歳、英衣子さん4歳、奈央子さん4歳)のお父さんである山本さんは、まずお手本チャレンジ。「絵を描くのは初めての体験です。見ている以上にむずかしいんですね。これは楽しいです。機会があったらまた描きたいです」。子どものみならず大人もワクワクする体験となったようです。ハマりそう!というお父さんお母さんも多数おられました。

デザインペインターである木村さんは宇部在住。

2年前に宇部市の新天町ウォールアートを担当し、子供たちとスケールの大きなアート空間を楽しく創り上げました。「今回のSLやまぐち号は昔から大人も子どもも大好きな存在。細かい部品やスケール感を出すのはむずかしかったですが、力強く迫力がでるように心がけました。
シャッターアートの良さは、人とふれあうことができることです。街中で見るだけではなく描いて参加することで、地域の人が少しでも楽しい気持ちになってもらえればうれしいです」

いっしょに絵を描くことで「わたしの街」が好きになる

このイベントを企画・主催した地域おこし協力隊・田中美穂子さんにお話しをうかがいました。
「商店街の活性化のアイディアを探っていた昨年秋、木村さんのウォールアートに出会って『これを山口でやりたい!』とすぐに決めてお願いしました。
今回の狙いは2つあります。ひとつは、いつも閉まっているシャッターを明るくすることで、街が明るくなること。
もうひとつは、制作に参加することで、来てくれたみなさんと一緒に『一つの思い出』をつくることです。この商店街で、みんなでいっしょに絵を描いた…子供たち大人たちがこの楽しい思い出を共有することは、『みんなの、わたしの、商店街』という実感となって街の力になると思うんです」
今回のSLやまぐち号、背景の黄色は実は「夜空の大きな月」。
ラストにヘッダーが黄色と青で彩られた瞬間、西門前のSLやまぐち号は銀河鉄道のようにシャッターから飛び出し、ゆめと想いを乗せて力強く走り出したようでした。

昨年6月に大阪から故郷の山口に戻り「地域おこし協力隊」となった田中さん。「コロナ禍で集客をすることがむずかしい状況ですが、生まれ育った山口で、地域の人・商店街が元気になるよう、様々なことに取り組みたいです」
シャッターアートイベントは夏頃に第2弾を予定、次回は山口芸術短期大学の学生や地域のみなさんとのコラボも企画中です。
みなさんも「わたしの街が明るくなる」このイベント、次回参加してみてはいかがでしょうか。

【山口市中心市街地の活性化に向けて】

山口市では、「中心市街地活性化基本計画」を策定し、中心市街地の活性化に向けた取り組みを進めています。

●これまでの中活計画

これまでの第1期計画、第2期計画では、まちなか居住の促進と共に、まちのにぎわい創出、居住環境の改善や防災性の向上に取り組んできました。

第1期計画

第2期計画

●市民アンケート、居住者アンケート

令和元年度に実施した居住者アンケートによると、中心市街地の満足度について78.9%が「満足している」又は「まあ満足している」と回答しており、まちなかに暮らす居住者には一定の評価を受けているものの、市民全体を対象としたアンケート結果によると、中心市街地の魅力について「あまり魅力を感じていない」又は「全く魅力を感じていない」が62.4%となっており、市民にとって必ずしも魅力的な中心市街地となっていません。

中心市街地に関するアンケート調査結果

●目標達成状況

第2期計画では、「中心商店街の空き店舗数」「居住人口の社会増減(5年間の総数)」は、目標値を達成できたものの、「商店街等通行量(休日)」の目標値は未達となりました。

認定中心市街地活性化基本計画の定期・最終フォローアップについて

●これからの中活計画

現在は、次期計画である「第3期中活計画」の策定に向けた作業を進めています。

●中心市街地が抱える課題

【課題1】魅力的な商業・業務機能の維持・再生

更なる空き店舗対策等により、魅力ある店舗や事業を生み出し、まちの経済活力の向上を図ることが必要。

【課題2】来街機会の創出

本市全域及び市外からの来街者を増やし、日常生活だけでなく余暇等における多様なライフスタイルを支えるエリアとなることが必要。

【課題3】まちの再生とエリア価値の向上

 まちの老朽化が進んでいることから、建物の更新や密集市街地の解消などに取り組み、エリア価値の向上を図ることが必要。

●中心市街地活性化に関する基本的な方針

現在、策定作業を進めている第3期計画においても、第1期、第2期計画を通じて整備してきた既存ストックを活かし、引き続き都市機能の集積を促進しつつ、既成市街地の再生を図ることとします。

まちを歩き、滞留する人がまちの可能性を高めるという視点を加え、ウォーカブル推進都市として「車中心からひと中心のまちづくり」を進めること、また、山口市民が日常の中でワクワクできるまちづくりを進めることとし、次の2つの方針と3つの目標を掲げています。

【活性化の方針】

「居心地が良く歩きたくなるまち」

「多様な人々の心が弾むまち」

【活性化の目標】

「求心力のある商業・業務エリアの形成」

「交流と創造による来街機会の創出」

「誰もが安心して過ごすことができるまちへの再生」

現在、山口市のホームページにおいて「第3期計画(案)」に対するパブリックコメントを募集しています。ぜひ、ご覧いただき、皆様の意見をお待ちしています。

※3月19日(金)まで

第3期山口市中心市街地活性化基本計画への意見を募集します。