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くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.15

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くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン Vol.15

               くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン

あなたは「山口市中心市街地」と聞くと何を思い浮かべますか?
山口七夕ちょうちん祭や山口祇園祭、県内で数少ない百貨店がある、アーケードのある商店街・・・色々な印象があると思います。
この「くる~ニャッ!やまぐちWEBマガジン」では、ちょっと気になるお店やイベントの情報、街を歩いてみないと気付かないようなディープな路地裏にもスポットを当てて、(編集者独自の目線で)紹介していきます。
このマガジンを読んで、気になるもの・場所を見つけたら、ぜひ山口市中心市街地へお出かけしてみてください!

自由に遊びを生みだす体験型イベント
「やってみたい!」が出発点
コトサイトあそびしゅうかい
「まちなか がらくた山」大好評です
次回は11/30と2/22!

オープン前の会場でおどろくのは、様々な素材。木材や長すぎるロープや梱包材、ふだん家庭や学校では転がっていないようなフラスチックの雨樋…売っているオモチャやゲームとは全然違う世界です。大人は『使わなくなったものをどうすれば?』と思うけど…

「もう全然大丈夫。なじみのない素材ほど、子どもは自由にイメージを膨らませ、一からものを生みだします。今回は建築関連の企業から廃材をいただきました」

主催者の鈴木康義さんは、YCAMスタッフとして井筒屋2階にある『コロガルあそびの百貨店』をプロデュースしてきました。

「コロガルで子どもたちに、YCAMの廃材や井筒屋さんの使用済みダンボールなどを渡すと、大喜びで自由に遊び出す。ものを作ったり仲間と新しい遊びを作ったり。ゼロから自分たちで考えるので、正解はないのがいいんです。とにかくみんなが楽しいように工夫するんですよね」

建築古材・廃材の有効活用を設計デザイナーの立場から取り組んできた鈴木さん。「子どもたちが廃材に息を吹きこむ様子を見て、これは「新しい遊び場」が作れるのではと考えました」

開場と同時に、お父さんと一緒にとびこんだ山口市のゆうくんは、自作の踏切を持参。目の前の雨樋と組み合わせて、世界がどんどん広がっていきました。

「何かを作るときの集中力がすごいんです。私では思いつかない『そう来るんだ!』という発想が生まれていて、それをみるといつも感心します」(ゆうくんのおとうさん)

自由に参加して自由に作って自由に帰るPlayground(自由な遊び場)。大好きな電車をつくる、長いホースの山をスラックラインのようにバランスをとって歩く、ダンボールで箱形ラケットを作りガチャの透明ケースでキャッチボールをする…どんどんと思い思いの遊びや作品が生まれていきます。

一緒の大人も子供心にかえって参加!笑顔と笑い声が弾んでいました。
作品ができたら、スタッフがインタビューしてみんなに発表します。ひとり一人の個性や工夫が詰まった作品に、あたたかな拍手が贈られました。

身体で感じる、五感を使う、コミュニケーションをとる
大切な事は、全部遊びに詰まってる

スタッフの佐藤史康さんは幼児教育に携わる保育士さん。パークロード市役所前で学童保育施設『放課後コドモンズLittle.Seekers』を運営しています。「『遊び場づくり』が私のライフワークです。遊びの中で『身体の発達欲求』を大切に育むことで、『自分らしさ』『自分の思い通りに動くよろこび』『自分がものを生みだす楽しさ』が人間の土台になると思うんです。」

「また、遊び場では自分以外の子どもと協力したりぶつからないように工夫したりすることで、コミュニケーションと危険回避の方法を学びます。

そのような子どもたちの様子を見ていると、一緒に大人も学びになります。これがインクルーシヴな社会づくりに繋がると考えています」

子どもが遊ぶには安全安心であることが必須。それに加えて、この空間自体がワクワクするリズムやバランスが感じられます。

「安全第一を確保して、自由に回遊できる動線と、自分の世界に集中できるゾーン配置、廃材がおもしろい存在になる美しさをポイントに空間づくりをしています。

ロゴデザインは、ポップなひらかなで、そこに『目』がたくさんついているでしょう? これは『ひとり一人がそれぞれ自分の視点を見つけることができる、そんなまなざしがありますよ」』というメッセージです。

テーマカラーは黄色とグレーで「工事現場」っぽい、ものづくりの現場のイメージです。今日はみなさん、この空間ごと楽しんでもらっていて良かったです」(鈴木さん)

「日本で一番、楽しい遊び場がある山口。そうなればいいな(笑)」(佐藤さん)

次回は11月30日日曜日。山口井筒屋2階コトサイトで、お宝になる「がらくた」たちが待っています!

まちなか がらくた山
6/28(日)・9/29(日)・11/30(日)・2/22(日)
11:00~16:00
自由来場・途中入場可

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ゴミから生まれる電気で商店街を灯す!山口グリーンエネルギー株式会社が描く「電力の地産地消」と脱炭素の未来

山口市中心商店街のアーケードを照らす灯りや、商店街のお店の冷暖房、美味しいパンを焼くオーブン…。これらの電気が、実はあなたが捨てたゴミから生まれているとしたら、少し驚きませんか?

「電力の地産地消」を掲げ、地域のゴミをエネルギーに変えてまちに還す。そんな新しい仕組みを広げるため、令和6年4月1日に「山口グリーンエネルギー株式会社」が設立されました。今回は、同社の塩見和夫さんと藤村克彦さんに、会社設立の背景とこれからの展望を伺いました。

脱炭素ってなぜ必要? 日本の目標と山口市の挑戦

猛暑や豪雨、農作物への影響や熱中症の増加…。気候変動は、私たちの暮らしに直接影響しています。こうした状況を食い止めるために、日本は 2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」 を目指しています。さらにその中間目標として、2030年度までに2013年度比で46%削減 という大きな目標を掲げています。

 山口市は令和4年、国の「脱炭素先行地域」に選定されました。これは、家庭や企業の電気によるCO₂排出を実質ゼロに近づける取り組みを、地域ぐるみで進めていくモデル地域です。

―― 山口市ではどのように脱炭素を進めているのでしょうか。

「エアコンや機器を省エネタイプに切り替えるなど、色々な取り組みを行っています。その一つが、再生可能エネルギー電力の供給です。私たちのゴミを燃やすときに出る“熱”を使った廃棄物発電と、太陽光発電があります。」
山口市大内の清掃工場では、市内から出る可燃ゴミを焼却。その時に発生する熱を利用して発電しています。これまでは電気を市外の事業者に販売していましたが、今後は 『電気も地産地消』 を合言葉に、市内で循環させることを目指しています。さらに新たな電源開発として最終処分場跡地等に太陽光発電の新設を予定しており、電力の地産地消と脱炭素をすすめていきます。

―― なぜ「電力の地産地消」が必要なのでしょうか?

「電気は遠くに送れば送るほど、送電線の抵抗でロスが出てしまいます。だから近い場所でつくって、近い場所で使う方が効率的なんです。あなたが出したゴミが、電気になってまた自分の暮らしに戻ってくる。まさに循環ですね。ぜひ引き続きゴミの分別にご協力いただければと思います」

現在、山口市本庁舎やYCAMなどの公共施設ではすでに清掃工場の電気を利用中。令和8年ごろからは中心市街地エリアの商店街や事業所、一般家庭への供給も始まる予定です。

―― 商店街の活力につながるといいですね。

「5月1日から駅通りの商店街に事務所を構えました。地域の皆さんと一緒に取り組みを広げたいからです。まちに電気を送ることで、商店街を元気にしたいと思っています」

お店や家庭の電気が、山口のゴミから生まれたクリーンエネルギーでまかなわれる時代がすぐそこまで来ています。そのためには、私たち一人一人の理解と意識の転換が大切だと感じました。

山口グリーンエネルギー株式会社
〒753-0087 山口市米屋町2番42号TEL:083-963-2024
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ご縁を大切に。アパレルから絵画までみんなのハブになるセレクトショップ
合同会社エイムハイ

道場門前のオメガビルの横を通り抜けると、真新しい白の建物。その1階が「合同会社エイムハイ」です。代表社員の上野高志さんにお話しを伺いました。

――エイムハイはどのようなお店ですか。

 「アパレル・宝飾・健康商材を中心に取り扱うセレクトショップです。もともと20年以上アパレル業界に携わっていました。”山口にはあまりないハイブランドを取り扱いたい”という思いから、福岡の輸入メーカーと出会い、取り扱えるブランドの幅を広げています。」

 店頭にない最新作やラインナップは大型モニターから探せる“店舗型EC”を導入。

「気に入ったアイテムはお取り寄せ可能で、ショップが仲介するため安心してお買い物を楽しめます。山口県内では当店だけのスタイルです。」

――お店を開いたきっかけ

 オーナーは、不動産や建築、リフォーム、塗装を手がける株式会社ウエストジャパンエステート。「空いている店舗でお店をやらないか」と声をかけられたのが始まりでした。

その背景から、上野さんのもとには、リフォームなど暮らしのお困りごとの相談もよせられます。セレクトショップでありながら、お困りごとの“コンシェルジュ的な存在”になっています。

「色の魔術師」天津恵さんの作品も

 お店では、オーナーの知人である版画家・天津恵(あまつけい)さんの作品を扱っています。

 天津さんは「色の魔術師」と称され、自然や宇宙をテーマにした数々のパブリックアートを手がけました。代表作には、東京メトロ銀座線・渋谷駅の壁画《Bright Time》やJR博多駅の陶壁画《大宇宙の煌めき》、名古屋臨海高速鉄道あおなみ線・金城ふ頭駅の《太陽と羽ばたく港まち》などがあります。

 店内では版画を販売しているほか、原画も非売品として展示。訪れるたびに新しい発見がある空間になっています。

――“つなぐ”を大切にする空間

 店内はアパレルがメインですが、お花や食器など、さまざまなアイテムが並びます。

「ものを売るより、自分のキャラクターを売っていきたいと思っています。縁つなぎができたらいいなと思っています。」

 特徴的なのが”フリマゾーン”。「お客様が持ち寄った食器や小物を展示し、販売しています。次に訪れたときに無くなっていたら「次は何を持ってこようかな」と嬉しくなりますよね、そんな楽しみの一つになればいいなと思っています。」

 その他にも、作家さんに無料で展示スペースを提供したり、上野さんの知り合いが卸してくれる胡蝶蘭も扱っています。

――商店街への思い

 上野さんにとって商店街は幼い頃から親しんできた場所。祖母が商店街の近くに住んでいたため、幼稚園の頃から祇園祭や提灯祭りに参加してきました。「お祭りに携われるのがとても嬉しい。なかなか出来ない経験を自分の子どもたちにも体験させたい」と語ります。

「商店街には大きな可能性があると思います。予算がなければアイデアで勝負。お店や私自身の発想が、まちのにぎわいの一部を担えたら嬉しいですね。愛される店舗になるには、まず自分から愛することが大切だと思っています」

合同会社エイムハイ
〒753-0047 山口県山口市道場門前1-3-8 グレイステラス道場門前1階
営業時間 11:00-19:00
定休日:水曜日
駐車場:5台
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